矢野顕子「ラーメン食べたい」


会津若松市での事件が世間を騒がせているが、
今日は野口英世博士の命日である。
僕は小学校
3年生のときに、
野口英世の伝記についての読書感想文を書き、
それが表彰された。

自分の書いた文章が褒められ、文集に載る。
それを読んだ人たちにまた褒められる。
それが嬉しくてうれしくてたまらなかった。
このときの快感が、いまの僕のルーツともいえる。

野口英世は16歳から19歳までを会津若松市で過ごした。
野口英世ゆかりの観光名所が点在することから、
会津若松市には「野口英世青春通り」という名づけられた一角がある。

そのデザインを手がけたのが、
僕の友人であるドアーズマニアの
Kさんである。
この話を聞いたとき、あまりにも意外な接点に驚いたものだ。

会津には知り合いがたくさんいる。
喜多方ラーメンの仕掛け人の
Yさんもその一人だ。
Yさんは白虎隊士の慰霊祭を春と秋に開催している
財団法人会津弔霊義会の理事の一人であり、
新撰組つながりが縁でお知り合いになれた。

秋の白虎隊慰霊祭の前日はいつも
Yさんのお宅に泊めていただき、
慰霊祭当日の朝は喜多方ラーメンのおいしいお店に連れて行ってもらったものだ。

朝からラーメン
??といぶかしがる読者よ!友よ!!
驚くなかれ、このお店は朝の7時だというのに行列ができるほどのお店なのだ。
そして、朝から食べてもすごくおいしいラーメンを食べさせてくれるのだ。
さっぱりとしたしょうゆ味で、余計なものがごちゃごちゃ入っていない。
すべてにおいてシンプルなものが一番だという僕の持論は、
このお店のラーメンを食べてからますます確固たるものとなった。

そもそも僕は食通でもなんでもないので、
あちこち食べ歩きをしたり食べ比べをしたりすることなどないのだが、
ラーメンに関してはこの喜多方ラーメンにかなうお店は、
少なくとも僕のなかではない。
さらに、ここのお店で出されるお漬物がこれまた美味なのである。
きゅうりとキャベツの浅漬けなのだが、
新鮮な野菜の食感が伝わってくる素朴な味で、
僕はラーメンとともにこのお漬物の大ファンにもなった。

ここ数年は会津を訪れていないので、
この喜多方ラーメンとお漬物にもご無沙汰しているのだが、
ぜひまた会津に行った際は食べてみたい。

矢野顕子の『ラーメン食べたい』は僕が18歳のころ、
よくテレビ神奈川の“ミュートマ
JAPAN”で流れていた。
矢野顕子は女性ミュージシャンのなかで、
最も母性を感じるアーティストである。

男もつらいけど 女もつらいのよ

友達になれたらいいのに

くたびれる毎日 話がしたいから

思い切り大きな字の手紙書いたの

  (作詞・矢野顕子)

矢野顕子は2度の離婚を経験をするなど、
女性としては決して幸せな人生とはいえないかも知れないが、
矢野顕子の歌はいつ聴いても幸せな気分にさせてくれる。

今回事件を起してしまった会津若松市の高校生が、
矢野顕子の『ラーメン食べたい』を知っていたかどうかは知らないが、
僕はこの悲しいニュースを聞いて、矢野顕子のことを思った。

 

2007.05