トモフスキー「ガン告知はいらない」

なにに書いてあったかは忘れてしまったが、
村上春樹が健康であることがいちばんということを書いていた。
「健康が才能を呼ぶことはあっても、才能が健康を呼ぶことはない」
という主旨の文章だったと思う。

20代だった頃、さまざまな先輩から
30になると急にガクッとカラダがしんどくなるぞ」と異口同音にいわれた。
しかし、
30を過ぎてもあまりそれを実感はしなかった。
サッカーをずっとやっていたということもあったのかもしれないが、
睡眠時間
2時間というような生活を送っていても、
体力的には全然問題なかった。

ところが、40になってからは、
さすがに体力の衰えを痛感するようになった。
とにかく朝がしんどい。
寝坊することはまずないのだが、
午前中はなかなか仕事モードに入らない日が多々あった。

いまでは夜遊びよりも、ついつい睡眠を優先してしまう。
これでは、いかん。
「ワイルドサイドを歩け」を座右の銘としている男としては失格である。
まずは、体力の衰えに歯止めをかけなければと思い、
今年からまたジョギングをはじめようと思っている。

僕は10代の終わりごろからずっと
身長
170センチ・体重55キロぐらいなのだが、
一時タバコをやめたとき、あっという間に
10キロ太った。
このときも、「これでは、いかん
!」と痛感し、
僕の生涯で唯一のダイエットを敢行した。
まず、晩ごはんを食べるのを一切やめた。
そして、毎日帰宅してから
10キロ走った。
さらには、再び健康のためにタバコを吸い出した。

最初は空腹のために眠れずつらかった。
朝起きたら、絶対に目玉焼きを食べてやる、
しかもダブルで
!なんて考えながら無理やり眠りについたものだ。

そんな悪戦苦闘の日々を
2週間ほど重ねた頃だろうか、
ダイエット効果が体重という数値で表れてくると
やはり人間うれしいもので、夜の空腹もガマンできるようになった。


結果的には
1か月で体重を10キロ落とし、
元通りの体型に戻った。
以来、
10数年、体型も体重も大きく変化していない。


とはいえ、やはりカラダは確実に衰えてくる。
なんとかいまのうちから歯止めをかけなければ、
カッコイイ
50代・60代にはなれない。
だから、今年は運動をしようと思うのだ。

昨日、幕張メッセの“COUNTDOWN JAPAN”に行ってきた。
目的は佐野(元春)くんだったのではあるが、
勝手にわが友のトモフスキーも出演するというので、楽しみにしていた。
トモフのステージは
30分ぐらいと短かったのだが、とても楽しめた。

昨年の
12月で僕よりひと足早く41歳になったトモフは
オープニングとエンディングで
「歌いまくる
40歳」改め「歌う41歳」と歌っていた。


トモフスキーの歌に『がん告知はいらない』という歌がある。
残念ながら昨日は演奏しなかったのだが、
法大のライブで聴き、好きになった曲だ。
昨年、僕の友人が
38歳でがんと診断された。
一時、退院したのだが、現在もまた入院している。
もちろんその友人は、自分ががんであることを知っている。
そして、その病魔と一生懸命闘っている。

僕はたまに近況報告とご機嫌伺いをかねてメールをするのだが、
時に言葉に困ることがある。
自分が体験したこともないような病気にかかり
入院生活を送っている友に、なにを書いていいのか、わからなくなるのだ。
そして、僕はこう思う。
僕だったら、もし僕ががんにかかったら、僕は知らないでいたいと。

この僕の姿勢を、人によっては弱虫だとか、
現実逃避だとかと感じるかもしれない。
でも僕は、それはそれでいいと思う。
その言葉を甘んじて受けようではないか。
しかし、世の中には、知らないでもいいことがいっぱいあると思う。

「足りないのでなくて、なにかが多いのだ」とは、
早川義夫さんの言葉だが、
僕は知識や情報・コミュニケーションについても、
それはあてはまると思う。

入院している友人が、先日送ってきたメールには
「いまはカップラーメンでいいから、お腹いっぱいに食べたい」と書いてあった。
僕はその言葉に対して、
なんと返事していいかわからなくなり、月並みな励ましの言葉を並べた。


今年の大きな願いのひとつは、
その友人の一日も早い快復である。
やはり、健康がいちばんなのだ。
そのためにも、今年は少し自分のカラダをいじめてみたい。
で、秋に我が家の前で行われるマラソン大会に出るのだ。
これが、僕の今年いちばんめの公約です。

2007.01