竹中直人「日曜日の食事」


ちょっと前の話になってしまうが、
ホワイトデー当日の朝、
後輩の1人が「最近こんなの出てるんすよ」といって
黄緑色の小さな袋入りのモノを持ってきた。

なんだ?と思い見てみたら、
ガチャピンのフィギュアであった。
なんでもサイダーのおまけについているらしい。
心やさしいミゾグチくんは、
そのフィギュアを僕にくれた。
僕はさっそく、机の脇の書類入れのところに飾った。

僕が勤める会社のなかで、
僕のガチャピン好きは有名である。
ガチャピンについて語らせたら止まらない。
もらったばかりのガチャピンフィギュアを飾ってご満悦の僕は、
この日も経理のフジサワさんと後輩のスズキくんを相手に
ガチャピンについて語りまくった。

一度もポンキッキを観たことがないというフジサワさんに、
ポンキッキの番組の素晴らしさを教えてあげようと、
ウィキペディアのポンキッキのページを開いたら、
なんと!今月いっぱいでポンキッキが終了するという
実にショッキングなニュースに出くわしてしまった。

昨年1216日のブログにも書いたが、
僕は“ひらけ!ポンキッキ”を放送開始当初から観ていた。
大人になってからも、ちょくちょく観ていた。
僕はポンキッキとともに成長したのである。

1998年夏、ガチャピンが宇宙に行くという企画があった。
これよりだいぶ前に僕は、
スキューバダイビングからスカイダイビングまで、
なんでもこなしてしまうガチャピンのチャレンジシリーズについて、
「もうこうなったら、ガチャピンに宇宙に行ってもらうしかない」と
あちらこちらで吹聴していた。

だからこの企画は僕のアイデアがまわりまわって番組関係者の耳に入り、
実現したに違いないといまも固く信じている。

ガチャピンが宇宙に行く前後、
ポンキッキ
(当時の正式な番組名は“ポンキッキーズ”)でよく流れていたのが、
竹中直人の『日曜日の食事』である。
働きづめのお父さんと唯一いっしょに食事ができる日曜日の食事について、
子どもの視点から唄った歌だ。

 お父さんは家にはほとんどいない人

 目覚めてから寝るまで働いてるのさ

 月曜日も火曜日も水曜日も木曜日も

 金曜日も土曜日もまるで見かけない

 だから日曜日の食事はいつもドキドキしてた

  (作詞・渡辺慎)

僕がポンキッキを観だした子どもの頃は、
こんなんではなかった。
父親が帰ってきてから、
晩ごはんをみんなで食べた。

各家庭において、
それぞれ状況は違うと思うので一概にはいえないのだが、
父親不在の晩ごはんが当たり前になったのは
いったいいつ頃からなのだろうか?

別に僕は父権主義者でもなんでもないのだが、
さまざまなものが崩壊している今日の日本社会を思うと、
ひょっとしたら何か因果関係があるような気がしたのだ。

おまけにポンキッキのような
良質の子ども番組までなくなってしまうとは・・・。
この国の未来が実に心配である。


2007.03