庄野真代「モンテカルロで乾杯」

僕の大好きな遊びのひとつに、
バックギャモンがある。
2個のサイコロで駒を動かす、
世界最古のすごろくゲームだ。

バックギャモンのいいところは、
同じボードゲームであるオセロやチェスなどと異なり、
サイコロを使うためにゲームに不確実性が生じるというところだ。
オセロは強いヤツは、どうやっても強い。
しかし、バックギャモンはダイスの目次第では、
ビギナーが世界チャンピオンを負かすことだってあながち不可能なことではない。

僕の尊敬するワル大人のロバート・ハリス兄も
バックギャモンの大家である。
かつて僕はハリス兄に、
バックギャモンの
MYボードにサインをしてもらったことがある。
そのサインには“
Luck”というひと言が添えられていた。

バックギャモンの世界大会というのがある。
あの
F1モナコGPでも有名な
ローズヘアピンのすぐそばに建つフェアモントホテルで、
毎年
7月の第2週に開催されるのだ。
日本からも毎年何名か参加している。

その1人に話を聞いたことがある。
世界大会は、その年の世界チャンピオンを決める
チャンピオンシップクラスに加え、
中級者用のインターミディクラス、
ビギナークラスの
3つのクラスでトーナメント戦が行われるという。
大会期間中はパーティも開催され、
まさにヨーロッパの社交界そのものを実体験できるという。

その話を聞きながら、
僕もいつかはモナコに行くんだと決意した。
待ってろよ!モンテカルロってなもんである。

僕がモンテカルロという地名を知ったのは、
『飛んでイスタンブール』に続く庄野真代のシングルレコード
『モンテカルロで乾杯』によってである。
この曲がヒットした当時、庄野真代はまだ
20代前半だったのだが、
ずいぶんと大人な雰囲気を感じさせる女性だった印象がある。

1980年冬の化粧品のキャンペーンソングは、
資生堂は竹内まりあの『不思議なピーチパイ』、
カネボウは渡辺真知子の『唇よ、熱く君を語れ』でともに大ヒットとなったが、
ポーラの
CMに使われた庄野真代の『Hey Lady 優しくなれるかい』も、
この
2曲に負けない名曲であった。

僕はこの
3曲のうち、どれか1曲を選べといわれたら、
庄野真代に軍配を上げる。

この曲がヒットしたその年、

庄野真代は夫ともに世界一周の旅に出て、
1年間で28ヵ国を渡り歩いたという。
自称ボヘミアンの僕としては、
実にうらやましい限りである。

最近は、バックギャモンともとんとご無沙汰だ。
いかん、これではいかん。

今週末は、絶対にドドーンと遊んでやる。


2007.02