清水健太郎「失恋レストラン 」
昨日、神奈川県の「公共的施設における禁煙条例(仮称)」について私見を書いたが、
夜タバコを吸おうとしたらビックリする出来事があった。
僕がいつも吸っているラッキーストライクのなかから、
見慣れない白いフィルターのタバコが出てきたのである。
この白いタバコが入っていた箱は、昨夜開けたばかりだった。
まだ開けてから2・3本しか吸っていなかった。
その後もう1本吸おうと思い、箱からタバコをヒョイと1本出そうとしたら、
この白いタバコが現れたのである。
僕はまるで、桃を切ったら桃太郎が出てきたぐらいにビックリした。
ラッキーストライクはもう、かれこれ20年以上吸っているが、
こんなことは初めてである。
ラッキーストライクは、たまに不良品が混じっていることがあって、
つい4・5日前も火をつけたらフィルターの半分ぐらいにしか葉っぱがつまっておらず、
僕は思わず「なんじゃこりゃぁ〜!!」と往年の松田優作ばりに声を上げそうになった。
そんなことがあったばかりなので、
この白いタバコも製造工程で別のタバコが混じってしまったのかと思い、
まじまじとそのタバコを見た。
ら、そのタバコには「MASTER」の文字と、
その反対面に2時を指している時計のイラストが描かれていた。
僕はそのイラストとMASTERの書体を見て、「ん!!」と思った。
見覚えのある書体とイラストだったからである。
僕はあわてて書棚に駆け寄った。
書棚のなかには、以前オマケでもらった
ラッキーストライクオリジナルのちびライターが置いてあったからである。
見たら案の定、同じような書体で同じようなイラストが描かれていた。
しかも、リューズがついているいないの違いはあるものの、
イラストの時計は同じようなタッチで描かれ、
同じくように2時を指しているではないか。
ふむふむ、どうやら他のタバコが間違って紛れ込んだのではないらしい、
というのはわかった。
では、このタバコはいったいナンなのか?
正直いって、サッパリわからない。
が、僕は密かに「これはアタリなのではないか」と考えている。
お菓子の“コアラのマーチ”に隠れキャラが描かれたアタリがあるように、
ラッキーストライクにも何千箱か何万箱かは知らないが、
そのなかに1本アタリタバコが潜んでいて、
幸運にも僕はそれを当てたと考えている次第なのだ。
どうだ、諸君!! 実にノーテンキでオメデタイ思考回路であろう♪
これはメデタイものに違いないと勝手に思い込んだ僕は、
さっそく先週買ってきたばかりの光り輝くビリケンさんにお供えした。
きっといいことが待っていると僕は信じている。
フィルターに書かれている文字がMASTERというのも、
なんとなく縁起が良さそうだ。
マスターなどと聞くと昭和41年生まれの僕は
ついつい清水健太郎の『失恋レストラン』を想い浮かべてしまったりするのだが、
マスターとは別に飲食店の店長ばかりを指す言葉ではない。
MASTERとはズバリ、精通者、熟練者、大家、達人、名人などなどを指す
実にありがたいお言葉なのである。
果たして僕がナニに精通し、熟練し、
大家・達人・名人になるのか皆目見当もつかないが、
とにかく縁起のいい言葉であることは間違いない。
本当にナニかいいことがありますようにと、
今日もその白いタバコをお供えしたビリケンさんの足の裏を
ナデナデした次第である。