世良公則&ツイスト「燃えろいい女


今日の午前中、
テレビをチラリと観ていたら世良公則が映った。
来週のゲストということで紹介されたのだが、
その映像を観て「世良公則も老けたなあ」と思った。

考えてみれば世良公則が
世良公則
&ツイストとして『あんたのバラード』でデビューしたのが1977年。
いまから
30年前のことになるのである。

昨日取り上げた、
クリスタンキングの『大都会』をはじめて聴いたときも衝撃的だったが、
世良公則
&ツイストの『あんたのバラード』もかなりの衝撃だった。
激しいアクションをまじえ全身で唄う世良公則の姿は、
僕がそれまでに見てきた、たとえば西城秀樹などとは違ったスタイルを感じさせた。

世良公則&ツイストは
『あんたのバラード』に続いてリリースされた『宿無し』もヒット。
世良公則
&ツイストは同時期にヒット曲を連発していたChar、原田真二とともに
「ロック御三家」と呼ばれるようになった。
3枚目のシングル『鉄爪』はさらに大ヒットとなり、
たしか当時のザ・ベストテンでの連続
1位の記録を樹立したような記憶がある。

翌年になっても世良公則&ツイストの人気は衰えず、
『燃えろいい女』は資生堂の夏のキャンペーンソングとなり
「ナツコの夏」というキャッチコピーとともに僕の記憶に残っている。

この「ナツコの夏」のキャンペーンモデルに抜擢されたのが、
小野みゆき。
そのちょいと野性味あふれる動物的なまなざしが印象的だった。

小野みゆきは、同年に公開された映画“戦国自衛隊”に、
タイムスリップしてきた自衛隊員と恋に落ちる戦国時代の娘を好演。
私生活でもこの映画で共演した清水昭博とのちに結婚した
(が、そのまたのちに離婚)

小野みゆきは、その後も女優として活動を続け、
松田優作の遺作となったリドリー・スコット監督の
『ブラックレイン』にも出演している。

世良公則も活動をいつしか俳優業にシフトしていった。
世良公則
&ツイストが人気絶頂の頃、
僕の母がテレビに連日のように映っていた世良公則を見て
「この人、俳優になればいいのに」といっていたのだが、
奇しくもそれが現実となった。

僕は俳優という仕事は、誰でもできると思っている。
そうでなければ、ポッと出のアイドル歌手が
平気でドラマになんか出られるワケがない。
僕が思うに俳優で大切なのは、
演技うんぬんではなく存在感だと思う。
“独眼竜政宗”において豊臣秀吉を演じた勝新太郎さんを観て、
あらためてそう思った。
その存在感が強い俳優が、
一流と呼ばれる俳優になると考えている。

俳優は誰でもできるが、
ロックンローラーは誰もができるものではない。
世良公則がいま、ロックンローラーとしての活動と俳優業、
そのどちらに重きをおいているのか知らないが、
世良公則はいまなおロックンローラーでいてほしい。

世良公則の歌声は、まさに本物のロックンローラーの声である。


2007.08