沢田研二「あなたに今夜はワインをふりかけ」


年末になると毎年聴きたくなる、
歳時記的な曲がいくつかある。
ジュリーこと沢田研二の
『あなたに今夜はワインをふりかけ』も、
そのひとつである。

1977年の年末にOAされていた、
マンズワインの
CMに使われていた曲だ。
CMにはジュリー本人が出演していて、
ワインのコルクを口であけるシーンが
なんともカッコよかったことを憶えている。

この年の大晦日、
ジュリーは『勝手にしやがれ』で日本レコード大賞を受賞した。
その勢いのまま
1978年のお正月早々発売されたシングルが『サムライ』、
そしてこのレコードのカップリング曲が
『あなたに今夜はワインをふりかけ』である。
僕はこの曲が聴きたくて、このシングルを買った。

「あなたに今夜はワインをふりかけ
 心まで酔わせたい酔わせたい
 あ〜あなたを♪」
(作詞・阿久悠)


なんとも大人な世界である。
当時の僕には、さっぱりわからなかったが、
いまの僕にはよくわかる。
心まで酔わせたい女性・・・きっとイイ女なんだろうな、ウッシッシなどと
ついつい思ってしまうのは、僕もオヤジになった証拠である。


ワインをふりかけたいとは思わないが、
僕は一度でいいからシャンパンをふりかけてみたい。
F1の表彰式のようにである。
銘柄はモエ・エ・シャンドン。
以前、
F1の表彰式でつかわれていたものだ。
ボトルはもちろん
F1の表彰式同様、3リットルサイズ。

人生において、すごく、ものすごくうれしいことがあったら、
僕は仲間とモエ・エ・シャンドンをかけあいたい。
そんなことを夢見ながら、早
20年の歳月が経とうとしている。
夢は見るものではなく、かなえるものだなどと
人生訓をたれるつもりはさらさらないが、
このモエ・エ・シャンドンのシャンパンファイト計画。
いつかは絶対に実現したい夢のひとつである。
いや、必ずそんなときがくる。
そう考えると、人生もより楽しくなる。

ジュリーは、長らくテレビ出演をしていなかったのだが、
2001年のお正月、突如として再び出演しだした。
しかも出演した番組では、過去のヒット曲をバンバン歌ったり、
過去の映像を流したりしていた。
それらの映像はジュリー本人の人生の軌跡のみならず、
僕の人生の軌跡でもあった。


懐かしさと嬉しさにかられた僕は、
その年の2月、ジュリーのコンサートにも行った。
フルハウス状態の神奈川県民ホールの会場を見て、
ジュリーの根強い人気をあらためて再確認した。

そして、2006年の今年もジュリーはツアーを行った。
残念ながら行くことはできなかったが、
ジュリーが元気で歌ってくれているのがうれしい。
またコンサートに行ける機会があったら、ぜひ行ってみたい。
できれば年末がいい。
そして、生の『あなたに今夜はワインをふりかけ』を聴きたいものだ。


ジュリーのヒット曲の数々を当時の映像で見てみたいという方は、
ジュリーのオフィシャルサイトで通信販売している
『快傑ジュリーの大冒険』という
DVDをおススメする。
1976年の『コバルトの季節の中で』から1987年の『CHANCE』まで全28曲、
テレビ
OA当時の映像で楽しめる。

僕はこの
DVDを見ながら、何度もタイムトラベルを楽しんだ。
僕にとっては行きたい時代にひとっ飛びの、まさに魔法の
1枚である。


2006.12