さとう宗幸「青葉城恋唄」


今日は5時半に目が覚めた。

のだが、再び寝てしまい、
目が覚めたのは
75分前だった。
慌てて飛び起き、
もはや日課となっている“独眼竜政宗”を観た。
今日は政宗の父・輝宗を殺害した畠山義継の居城である
二本松城を政宗たちが無血開城させた回だった。

8時半過ぎから仕事を開始。
予定通りお昼過ぎには片づけ、
午後から所用のため上野くんだりへと出かけた。


帰宅してからメールをチェックしたら、
我がビール党の総裁より明日の党大会についての連絡がきていた。
このビール党…地球温暖化防止をスローガンとする
ビール愛好者の団体で僕が副総裁の要職を務めている。

のだが、いまのところ党員は
2名しかいない()

要するに明日、
2人でビールを飲もうというだけのハナシなのである。

僕のまわりにはビール好きが多い。
ロックンロールの罠から逃れるため死を偽装し、
日本で日産のセールスマンをしていた
ジム・モリスンと酒場で会ったと豪語してやまない、
自称ドアーズ研究家の
Kさんもそうである。

かつて
Kさんは「自生愛」なる団体を立ち上げていた。
「自由が丘生ビール愛好者連合」の略である。

Kさんのビールに対する態度は厳しい。
Kさんの前で「僕はビールで」というのは御法度である。
ビールを愛する者であれば「で」などといってはいけないらしい。
「僕はビールを」というのが正しい姿勢なのだそうだ。

さらに
Kさんは「ビールは泡立っていなければいけない」という
確固たる哲学をもっている。
そのため
Kさんは、新幹線のなかで缶ビールを飲むときは、
わざわざコーヒー用の紙コップをもらうのだそうだ。
加えて
Kさんは「生ビールのジョッキは
キンキンに冷えてなければならない」と語っていた。

僕もこの意見には賛成である。
そのため僕は、大のビール好きにもかかわらず
ビアガーデンにはほとんどいかない。
ジョッキが冷えてない上、
ビールがすぐに生ぬるくなってしまうからだ。

僕が最後にビアガーデンに行ったのは2年前の5月。
取引先のビアガーデンが営業を開始するので
顔を出しに行ったのだ。

この日はあいにくの天気で、
しかも屋上ということもあり寒かった。
一緒に行った人たちは早々に生ビールを放棄し、
熱燗を頼んでいたぐらいだ。

と書いていたら、
その
3ヵ月後にも行ったことを想い出した。
あるクライアントの総務部長を連れて行ったのだ。
この部長は僕と同い年ということもあり、
仕事の話抜きで何度か一緒に飲みに行った。
僕が退職する当日も、わざわざ電話をくれた。
「ぜひタカハシさんの慰労会をしないとね」といっていたので、
そのうちまたお誘いの連絡があるだろう。

我がビール党の総裁は、
以前は仙台に住んでいたことがある。
そんなこともあって、
僕が毎日“独眼竜政宗”を観ている旨を伝えたところ、
今日のメールの最後に
「青葉城恋唄が好きな総裁より」と書いてあった。

さとう宗幸の『青葉城恋唄』がヒットしたのは、
僕が中
1のとき。
当時は、この歌のどこがいいのかさっぱりわからなかった。
しかし、いつの頃からか好きになった。

青葉城には“独眼竜政宗”が放送されていた年に行った。
さらには
7年前の夏、
仙台市の博物館に土方歳三の手紙が保管されているというハナシを聞き、
その取材
(?)ついでに行ったことがある。

青葉城址から見下ろす仙台の町並みは、
近代都市の景観と自然の姿がバランスよく調和していて
とても美しかった。
人々も親切で、博物館の職員の方は、
僕が新撰組をこよなく愛する者だと知ると、
頼みもしないのにさまざまな資料を出してきてくれた。

実にいい街である。
そういや後輩のスズキくんも、
仙台に住んでみたいと以前いっていた。

明日は、党大会の前に仕事の打ち合わせが入っている。
しっかり仕事をし、晴れ晴れとした気持ちでいまから約
400年前、
伊達政宗が礎を築いた仙台の素晴らしさと地球温暖化防止を議題に、
おいしいビールを飲みたいと思う。


2007.08