ロブバード「ボーン・フリー・スピリット」


この週末は、本当に寒かった。
日曜日なんぞは、早朝ジョギングに出かけたはいいが、
あまりの寒さに顔の肌がビリビリいいそうになり、
途中のルートをショートカットして帰ってきた。
昨日は昨日で、これまた早朝ジョギングに出かけたはいいが、
あまりの寒さにカラダが冷えたのか家を出た早々、
ものの
10分でお腹に変調をきたし、
区役所のあるシビックセンターにかけ込んだ。
我がことながら、トホホである。

寒ガリータの僕は、本当に冬が苦手だ。
なるべくなら出かけたくない。
が、だからといって家のなかでいすぶっているワケにも行かず、
昨日も厚手のコートに手袋
&マフラーという重装備でホテホテと出かけた。

後楽園駅のすぐ脇にある公園には猫ちゃんたちがたくさんいるのだが、
猫ちゃんたちも寒いのだろう。
2匹が寄り添うようにして丸まっていた。

昨日は成人の日ということで、
あちらこちらで晴れ着姿の新成人を見かけた。
いつから成人の日が
1月の第2月曜日になったのか憶えていないが、
やはり昭和生まれの僕は成人の日というと
115日のほうがしっくりとくる。

115日といえば、
かつてはラクビーの日本選手権が行われていた。
社会人ナンバーワンと学生ナンバーワンが日本一をかけて闘った大会である。
僕はラグビーをプレーこそしなかったものの、
観るのは大好きだった。
なかでも新日鉄釜石の松尾雄治氏は大好きな選手だった。

この松尾氏が昨年末、
CSの番組に出ていた。
現在、松尾氏は成城大学ラグビー部で指揮をとられており、
その様子が放映されたのだ。

松尾氏をテレビで見るのは久しぶりであった。
1985年、新日鉄釜石の日本選手権7連覇を花道に現役を引退した後、
松尾氏はスポーツキャスターとして活躍していたのだが、
1992年にポーカー賭博により逮捕されると松尾氏の姿はブラウン管から消え、
その動向もあまり伝えられなくなった。

奇しくも当時は、
松尾氏の現役最後の試合を闘った平尾誠二氏率いる
神戸製鋼が破竹の快進撃を続けていたころで、
ラグビー界のスーパースターの座は完全に平尾氏に移っていた。

平尾氏も素晴らしかったが、松尾氏はもっと素晴らしかった。
僕はいまも松尾選手の華々しいプレーの数々を憶えている。

1994年、文藝春秋社から
日本選手権の歴史をまとめた“
1.15伝説”というビデオが発売された。
もちろん僕も発売早々買ったのはいうまでもない。

 

松尾氏が引退した1985年の冬が
暖冬だったのか寒かったのかは憶えていない。
ただ、
115日はとてもいい天気だったことを憶えている。

この年の冬を思うと、想い出すのがカップヌードルのCMである。
大沢誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』が
CMソングに使われていて、
マフラーをまいた女の子の笑顔がアップで映し出されていた。
キャッチコピーは「きみの、つぎにあったかい。カップヌードル」であった。

ついつい懐かしくなって
YouTubeでそのCMを探したところ、すぐに見つかった。
それはそれでうれしかったのだが、
もっとうれしかったのはロブバードの
『ボーンフリー・スピリット』の映像があったことである。
この曲は
1980年秋のカップヌードルのCMソングで、
数あるカップヌードル
CMソングのなかでも想い出深い1曲である。

 Born Free Spirit からだじゅう ハートのビート打ち鳴らせ
 
Born Free Spirit 地球では生きてることが祭りなのさ

 あなたに逢えてうれしい とても素敵なあいさつ

 おいでよ勝負(かちまけ)なしのゲームを楽しむために

 愛して 振られて 愛して 最後に笑えばいいさ

 待つ人 来る人 行く人 最後に笑えばいいさ Its all right

  (作詞・岡田冨美子)

14歳・中学3年生のとき、
僕はこのシングルレコードを聴きながら「おお、そうだそうだ
!!」と
この歌詞に賛同したものだ。

本当に久しぶりにこの曲を聴いたのだが、
その思いは当時と少しも変わっていない。
いや、厳密にいえば、僕も人生のアップダウンをぐるりとひと回りして、
またここにたどり着いたというのが正しい。

下痢するほど寒くても、いつかは春が来る。
公園に住む猫ちゃんたちだって、がんばって生きているのだ。

人生を謳歌しよう。僕はそんな人生讃歌が大好きだ。


2008.01