ロッド・スチュワート「アイム・セクシー」


僕がこの世に誕生した1966年、
シェフ・ベック・グループにヴォーカリストとして加入したのが
ロッド・スチュワートである。
ロッドはその後、フェイセズを経てソロ活動を開始し、
71年には『マギー・メイ』が
全米全英でともにナンバーワンヒットとなった。

僕がロッド・スチュワートを知ったのは
1979年のことである。
たしかユニセフ主催のコンサートがテレビで放映されていて、
そこではじめてロッドを観たのだ。
唄っていたのは『アイム・セクシー』。
キーボードが奏でるイントロと、
ロッドのハスキーなヴォーカルがとても印象に残った。

この曲が収録されていたアルバムのタイトルは
“スーパースターはブロンドがお好き”というハレホレなもので、
レコジャケはお尻のラインが実にセクシーな
ヒョウ柄の服をまとった女性を抱きしめてニヤついているロッドという、
思春期の少年には実に刺激的なものであった。

僕は自分のことをセクシーだと思ったこともなければ、
いわれたこともない。
セクシーな男性といえば、
僕はだんぜんジュリーを思い浮かべる。

僕が少年のころは、
セクシーなんて言葉の意味をさっぱり理解していなかったが、
いま思えば
70年代〜80年代のジュリーは実にセクシーだった。
そのセクシーさは、デビッド・ボウイ以上だったと思う。
つまり、ジュリーはワールドクラスのセクシーな男性だったと思うのだ。

先日、
CSで映画“魔界転生”をやっていて、
ついつい観入ってしまった。
ジュリー演じる天草四郎の妖艶さといったら、
まさにこの世のものとは思えなかった。

それからセクシーな男といえば、
やはり原田芳雄さんも挙げないワケにはいくまい。
一度だけ観た芳雄さんのライブで、
僕は芳雄さんの全身から醸し出される男臭さに悩殺されたた。

そんなハナシを後輩としていて、
いかにそのときの芳雄さんがカッコよかったかを説明するのに
「もしさ、芳雄さんがオレを口説いてきたら、
オレ断れなかったかもしれないよ」という比ゆ表現を使ったところ、
後輩はその言葉だけをすっかり鵜呑みにし、
僕には男色の気があると信じ込んでしまった。

その後は、ナニをどういっても
「いやあ、あやしいな」と一点張りである。
で、僕は面倒くさくなって、
「心配すんな。オレがどんな性的嗜好をもっていようが
キミだけには絶対に手は出さないからよ」といって安心させてあげた
()

ロッド・スチュワートは、
女性にまつわるスキャンダラスな話題にこと欠かない。
一説にはこれまでに
4人の女性とのあいだに
7人の子どもがいるという。

“スーパースターはブロンドがお好き”というアルバムタイトルのとおり、
ロッドはスラリとしたブロンド美女がお好きだと公言している。

たしかにスーパースターである。
富も名声もあるだろう。
しかし、ひとりの男性として
ロッド・スチュワートはセクシーなのだろうか?


僕が夢中になって聴いた『アイム・セクシー』の原題は
Da Ya Think I’m Sexy”である。

少年のころは、このタイトルについて何も思わなかったが、
41歳になったいまなら胸を張ってこういえる。

「オレってセクシー?」なんていうヤツは、
ダサいなとオレは思うぜ
!!


2007.03