ノーナ・リーヴス「ラヴ・トゥギャザー」

長州出身の総裁が率いる自民党が、
この参院選で歴史的敗北を喫した。
その結果について、
いろいろな人がさまざまな意見があると思うが、
僕が思ったのは安倍ソーリの潔い態度のなさである。

たしかに参院選は、
政権交代に直接関わる選挙ではないかもしれない。
しかし、ソーリになって初の国政選挙で、
これだけ大敗したのだ。
その責任は
党の幹事長だけが取ればいいというものではないと思う。

1989年、当時社会党委員長だった土井たか子氏が
「山は動いた」という名言を吐いた参院選では、
三本指スキャンダルで世間を騒がせたウノソースケ総理が
「明鏡止水の心境です」とこれまた名言を吐いてソーリ職を辞任した。

1998年の参院選における故橋本ソーリもそう。
辞めることだけが責任を取ることだとは思わないが、
安倍ソーリの往生際の悪さを見ていると、
なんとも武士らしくないなと思わずにはいられない。

以前も書いたように、
いまの日本の基本的な仕組みは明治政府によってつくられたものだ。
そして、その明治政府の中枢にいたのが薩摩人と長州人である。
誤解を恐れずにいえば、
薩長による勝者の論理で日本は歴史を重ねてきた。

しかし
21世紀の今日、
もはやその仕組みは死に体となっているといっても過言ではない。
今回の参院選挙が、新しい日本をつくる第一歩になればいいなと、
僕は個人的に思っている。

今回、東京選挙区では川田龍平氏が無所属で当選した。
僕は川田氏とは面識はないのだが、ちょっとした因縁がある。

2000年、川田氏の母が衆議院の補欠選挙に立候補した際、
中村敦夫さんが全面的にバックアップした。
当時、僕は敦夫さんのまわりでウロチョロしていたことに加え、
補欠選の選挙区が僕の地元だったこともあり、
敦夫さんの当時の第一秘書と
2人で選挙事務所を探したことがある。
結局、僕はいろいろと忙しくて選挙自体の応援はできなかったのだが、
少しでもお役に立てたことを喜んだものだ。

たまたま昨日、そのころよく聴いていた
ノーナ・リーブスの『ラヴ・トゥギャザー』を久しぶりに聴いた。
ダンサブルなメロディラインに耳を傾けながら、
あれからもう
7年かとしみじみ思った。

当時、敦夫さんのまわりにいた人のなかにはその後、
議員になった人もいれば議員バッヂを失った人もいる。
僕は政治というのは、別に議員になることがすべてではないと思う。
でも、世の中には議員になりたい人というのはたくさんいる。

僕がよくわからないのは知事選に出たかと思えば、
次は衆院選に出、そしてまたまた次は参院選に出たりする人たちだ。

いうまでもないが、知事の仕事と国会議員の仕事は違う。
同じ国会議員でも、参議院と衆議院ではやることが違うのだ。
そこのところをわかって立候補している人がどれだけいるかというと、
実にあやしい。
「私は参議院議員となってこれこれこういうことをしたい」
という志が感じられないのだ。
だから、ヘーキで参議院議員から衆議院議員に鞍替えする議員も出てくる。


年金改革や教育改革もいいが、
まずはそれを推し進める政治家の志の改革もしてほしい。
政に関わる者は、なによりも自分自身に厳しくあるべきだ。
じゃないと真の改革なんてできっこないと思う。
安倍ソーリは、そこのところをどう考えているのだろう
?


2007.07