三田村邦彦「想い出の糸車」


どうにもこうにもバタバタとした日々を送っていて、
この日記も先週末は書くに書けなかった。
常にやるべきことが目の前にぶら下がっていて、
言い訳になってしまうがなかなか落ち着いて
自分のためにナニかを書くということができなかったのだ。

サラリーマンのときも忙しかったことは忙しかったが、
いまの忙しさとは明らかに質が違う。
その違いをこと言でいえば「焦り」ということになるだろうか
? 
「あれをやらねば」「これをしなきゃ」
「そうそう、これも忘れてはいけない」といった感じで、
万事追いまくられている気がしてしまうのだ。
しかし、実際は追いまくられているのではなく、
自分が焦って先走っているだけなのだ。

こんなときこそ、どっしりと腰を落ち着け、
気分転換をしなければならない。
希望をいえば多摩川の流れをぼんやり眺めながら、
アタマを空っぽにしたいところではあるがなかなかそうもいかず、
忙しそうに車が行き交う春日通りを横目に
「落ち着こう、落ち着こう」と自分にいい聞かせている。

先週の金曜日、築地の本願寺で無料ライブが開催された。
このライブにはエンケンこと遠藤賢司も出演していた。
のだが、僕は行けなかった。
実に残念である。

築地の本願寺は僕がまだ駆け出しのころ、
朝日新聞社と日刊ゲンダイに行くときによく前を通ったものだが、
一度も足を踏み入れたことはない。

築地市場で魚屋さんを営んでいる僕の後輩のお父さんは、
死んだら全財産をつぎ込んで本願寺でお葬式をするようにと、
いまから息子である僕の後輩に語っているという。

そういや元X-JAPANhideが本願寺でお葬式を行ったときは
5万人が集まったといわれている。
これは護国寺で尾崎豊の葬儀が行われた際に集まったファンの数を
はるかに超えるものだった。

僕はX-JAPANに対しては全く興味をもっていなかったので、
X-JAPAN解散後のhideの歌もほとんど知らない。

ヒデの歌といえば僕にとってはhideではなく秀。
“必殺仕事人”の秀こと三田村邦彦が唄った
『想い出の糸車』のほうがピンとくる。
この歌は“新必殺仕事人”の主題歌であった。

“新必殺仕事人”は藤田まこと演じる中村主水、
中条きよし演じる三味線屋の勇次、
そして三田村邦彦演じる飾り職人の秀が出演していて、
その後の必殺の黄金期のきっかけとなった作品である。
そして、この
3人の殺し屋のアンサンブルは
“必殺仕事人W”で最高潮を迎えた。
三田村邦彦も、このころが絶頂期ではなかったのだろうか
? 

このあと、三田村邦彦はやれ不倫だ、離婚だ、阿波踊りだと
本業の俳優稼業とは関係のないところで話題を集めることが多かった。

いまCSでは“必殺仕事人W”の再放送を放映している。
昨日、ゴハンを食べながら録画していた“必殺仕事人W
”を観ながら、
いまやすっかり三枚目的なポジションが板についている
三田村邦彦について思いを馳せた。
余計なお世話だけど。


2007.09