マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイング・オン」

199710月、新宿リキッドルームでの
ポール・ウェラーのライブもよかったのだが、
それ以前に来日したときのライブもハズレはなかった。

たしか
1992年。NHKホールで行われたライブのアンコールで歌われたのが
マービン・ゲイの名曲『ホワッツ・ゴーイング・オン』である。
僕はその演奏を聴きながら、あまりの多幸感に
「あ〜このまま永遠にこのライブが続いてくれたらいいのになぁ〜」と思ったものだ。

『ホワッツ・ゴーイング・オン』は、
ベトナム戦争に対する反戦歌として知られているが、
「いま何が起こっているのか?」というこの曲のテーマは、
いつの時代にも通用する普遍的なテーマだと思う。
たとえば
19857月に行われた音楽史上に残る一大イベント
Live Aid”の日本での中継において、ラッツ&スターがこの曲を歌っていた。

僕が思うに、この国はあきらかにいま、
おかしな方向に進もうとしているような気がする。
しかも怖いのは、国民的な議論をすっ飛ばし、
麻雀でいうところのいわゆる「ダマテン」で、
重要な法案が次々と与党の思惑どおり
数の力で可決・成立しまっていることだ。


「いま、何が起こっているのか?」

知らないではすまされない。
なぜなら、自分たちの未来がかかっているからだ。


この曲がリリースされたのは
1971年。
その頃のアメリカの世情も深刻だったとは思うが、
いまの日本もかなり深刻だと思う。

もし、僕がラジオのDJをやっていたら、
この曲とジョン・レノンの『パワー・トゥ・ザ・ピープル』をかけながら、
政治的にアジりたい。

かつて内閣打倒を志したゼンキョートー世代の人たちは、
いったいいまの日本をどう思っているのだろうか?


2006.12