ケツメイシ「夏の思い出」


今日はわが家に後輩たちが遊びにくる。
奇しくも今日は七夕。
わが家にある天体望遠鏡で
七夕の夜の星空観察をしようというのが主旨なのだが、
どうせグダグダな呑み会になるであろう。

今日、わが家に集う面々は会社の後輩のスズキくんと、
僕が子分にしている某ベンチャー企業勤務の元応援団長ミズノ、
そして会社の元後輩のサナダくんである。

サナダくんが、僕が勤務する
(というか、もうすぐ退職する)会社に入社してきたのは、
一昨年の
9月だった。

なんでも以前勤務していたデザイナーが
(サナダくんと)将来一緒に独立を考えているので、
(サナダくんを)鍛えてほしい」とお願いしてきたのを受けて、
社長と専務が入社を快諾したらしい。

しかし、サナダくんは半年後、退社した。
表向きの理由は「グラフィックではなく、
Web関連のデザインをしたい」ということだったが、
僕には本当の理由がわかっていた。

サナダくんが辞める前月の2月、
僕は
40歳の誕生日を迎えようとしていた。
そこでサナダくんを含む後輩
3人と
「盛大にオレの生誕
40周年祭を行おう!!」と朝まで飲んだ。

その日、サナダくんたちと別れたのは朝の
9時近くだった。
朝から
100%の快晴で、目が痛かったことを憶えている。
そして僕は帰宅し、
2時間ほど仮眠をとり、
さいたま市にある「ジョン・レノン・ミュージアム」へと出かけた。
どうしても
40歳になる前に行っておきたかったので、
ヘロヘロのカラダを引きずるようにして出かけた。

夜遊びがカラダにこうも堪えるとは、
オレも年をとったものだと
40歳という年齢を実感させられた。

サナダくんは退社後すぐにWeb関連の制作会社に転職したのだが、
そこが強烈な会社で、入社して半年のあいだに
20人以上の人間が入れ替わったという。
サナダくんは「どエライ会社に入ってしまいました」と苦笑いしていたが、
彼は持ち前の勤勉さで仕事を続け、
「しんどい」「タイヘンだ」と嘆きながらも勤務を続けている。

サナダくんは修行のために口利きで入社した会社を、
わずか半年間で辞めるような人間ではないのだ。
サナダくんが退社するとき、
本来であればサナダくんの教育係を務めなければなかった専務は、
退職はあくまでサナダくん側の理由によるものだといっていた。
人の将来を預かったのなら預かったなりの責任というものが絶対に生じると思うのだが、
専務はそうは思わなかったらしい。
こんな人に、人が育てられるわけがない。

サナダくんとは退職後も親しくしていて、
この
1年間に何度もわが家に遊びに来ている。
外でも何度か飲んだ。

去年の
2月、僕の生誕40周年祭の際、
サナダくんとはじめてカラオケにいったとき、
そのうまさにビックリしたことがある。
なかでもケツメイシの『桜』は絶品で、
次に一緒にカラオケにいった際にリクエストをしたぐらいだ。

ケツメイシの『桜』もいい曲だったが、
僕はケツメイシといえばまず『夏の思い出』が思い浮かぶ。
この曲は
2003年にリリースされたのだが、
この
4年間は本当にいろんなことがあって
ひと口に
4年間といっても5倍ぐらい密度の濃い4年間だった。

人生を
4年間でグルリとひと回りしたような気分である。

考えてみれば今日、わが家に集う愛しき後輩たちも、
すべてこの
4年間のうちに知り合ったヤツばかりだ。

出会いがあって別れがある。
別れたとしても、違う場所でまた会っている。
だから人生はおもしろい。

人生を楽しく加速させるのは、僕は人との出会いだと思う。

2007年の夏、どんな出会いがあって、どんな思い出ができるのか?
きっと、いいことがあるに違いない。
根拠は何もないが、なんとも楽しみな予感に満ちた七夕の朝である。


2007.07