いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」


土曜日は予定どおり「YOKOHAMA KEIBAまつり!!」に出かけてきた。
ちょうどこの日は大好きな原田芳雄さんも出演されている映画
“歩いても 歩いても”の公開初日で、
いくつかの映画館で監督・キャストによる舞台挨拶が行われるという情報をキャッチしていた。
のに、僕はその舞台挨拶を見送り、
わざわざ横浜くんだりまで朝から出かけたのである。
ターフィーくんに会い、浴衣姿のターフィーくんが描かれたハンドタオルをもらう、
ただそのためにである。

横浜を舞台にした名曲は数多くあるが、
いしだあゆみさんの『ブルー・ライト・ヨコハマ』も有名な
1曲である。
映画“歩いても 歩いても”というタイトルは、
この曲の歌詞に由来しているという。
この映画はかなり前評判が高い。
しかも芳雄さん、樹木希林さん、阿部
()ちゃん、夏川結衣とキャスト実に魅力的だ。
本来であれば
1日も早く観たい映画であり、
さらにいえば舞台挨拶もぜひとも見たいところではあったのだが、
僕はターフィーくんを優先した。
芳雄さんファンの友人たちに会わす顔がない。

YOKOHAMA KEIBAまつり!!」のメイン会場である
みらいチューブに着いたのは、ちょうど
11時だった。
さっそく僕はスタッフの女性からひったくるようにして
(!?)
このイベント用に用意されたウチワをもらった。
このウチワを桜木町もしくは新横浜の
WINSに持参すれば、
浴衣姿のターフィーくんが描かれたハンドタオルがもらえるのである。
ウチワを手にした僕は、
ホクホク顔でイベント会場のなかへと入っていった。

会場の入口では、アンケートが行われていた。
アンケートに答えると、ナニかもらえるらしい。
どれどれと覗き込んだところ、
ターフィーくんが描かれたボールペンが用意されていた。
さっそく僕もアンケート用紙をもらい、記入した。
そして、別の女性スタッフからボールペンと
有名競走馬の写真が印刷されたポストカードのセットをもらい、
さらに会場のなかをウロチョロしようとしたところ、
ターフィーくんが描かれたマグネットが目に飛び込んできた。
! コレもほしいぞ!!と思い、
僕はそそくさとそのマグネットが置いてあるテーブルの前に進み、
またまた別の女性スタッフに声をかけようとした。
ら、僕の機先を制するように
「こちらは小学生以下のお子さまが対象となっております」と
ピシャリといわれてしまった。

カッコ悪い思いをしながら、
僕がその場を急いで離れたのはいうまでもない。

そうこうしているうちにイベントの開始時間が近くなってきたので
用意されたベンチに腰掛け、ステージの最前列に陣取った。

イベントはまず、弦楽四重奏が行われた。
なかなか弦楽四重奏を生で聴く機会などないので、
僕はターフィーの登場を前に逸る気持ちを抑えつつ、
その美しい調べに耳を傾けた。

20分間の演奏が終わり、ついにターフィーくんが
ジョッキー姿のキティちゃんを従えステージに登場した。
ターフィーくんは、後楽園のターフィーくんよりひと回り大きく、
ステージ上で激しく動き回り愛嬌を振りまいていた。
後楽園のターフィーくんと比べて、かなりヤンチャなターフィーくんであった。

予定では先着20名と記念撮影を行うとあったので、
僕も愛しのターフィーと写真を撮ってもらおうと虎視眈々・準備万端であったのだが
希望者の列に並んでいるのは小さな子どもたちばかり。
いくら恥の多い生涯を送ってきた僕も、
さすがに子どもたちに混じって列に並ぶ勇気はなかった。
残念だが仕方ない。
僕にも羞恥心というものがあるのである。

撮影会のあと、子どもたちによるボールの色当てゲームがはじまった。
箱のなかから
1個のボールをつかみ、
そのボールの色とターフィーくんが示す色が合えば、
ターフィーくんが描かれたランチボックスをもらえるのである。
が、子どもでもなければ、子ども連れでもない僕がそのゲームに参加できるはずもなく、
ただただそのゲームの様子をうらやましげに見つめているだけであった。

午後3時からフジテレビの競馬番組でもおなじみの、
ほしのあきとアンタッチャブルのトークショーが予定されていたのだが、
それまではまだ時間があるのでその間に桜木町の
WINSに行き、
念願のハンドタオルをゲットしてきた。
そして昼食を済ませ、再び会場へと戻った。

3時が近づくにつれ、ステージ前は大混雑してきた。
たぶん、ほしのあきをひと目見たいという人たちがほとんどなのであろう。
男性の姿が非常に多かった。

僕はといえば、ステージからちょっと離れた場所で、
混雑を避けながらトークショーの開始を待っていた。
ら、ターフィーくんが
ステージの裏側からイベント会場の入口付近へ歩いていく姿が見えた。

トークショーがはじまってからも、
ほしのあきそっちのけでターフィーくんと戯れていたことはいうまでもない。

記念撮影はできず、マグネットもランチボックスももらえなかったが、
それでもターフィーくんと戯れ、ボールペンとハンドタオルをゲットできた。
僕は大満足顔で帰路についた。
まだ
5時前、街が港がブルーライトに輝くはるか前に、
もはや長居は無用とばかりに横浜をあとにしたのである。

帰宅してから、僕はさっそく日曜日に行われる「宝塚記念」の予想を立てた。
例によって「タカハシ式負けない競馬術」で、
馬番で
125814という5頭の競走馬をピックアップした。

これで万全である。
あとは明日
(つまり昨日)を待つばかりであった。

そして迎えた昨日は、朝から雨だった。
土曜日に立てた予想を記した紙を持って、
後楽園の
WINSに向かうべく用意をしていたところ、
どうも
4番の馬が気になって気になって仕方がなくなってきた。
実はこの
4番の馬、土曜日に予想を立てる際、
一度はピックアップしたのだが最終的にこの馬だけを外したのである。
が、どうも気になる。
おまけに先週のレースでは、一度はピックアップした
8番の馬が大穴をあけ、
僕は万馬券をとり損ねている。
なにか先週の二の舞になりそうな気がした僕は
4番も予想に加え、
馬連と複勝で合計
2,100円分の馬券を買うことにした。

馬券を買い終えたあとターフィーくんを探したのだが、
残念ながらターフィーくんの姿はなかった。
やはり、雨だったからであろう。
後楽園のターフィーくんは、
基本的に
G1レースがあるときにしか登場しないので、
あとは秋まで会えない。

僕の競馬好きの友人はかつて、
自分が新潟競馬を見たいがために社員旅行の行き先を
幹事特権で新潟にするという暴挙に出たことがある。
その豪快なハナシを聞き、僕はゲラゲラ笑いながら
「そんなに競馬って面白いもんか
?」と聞いたのだが、
いまではその気持ちが少しはわかる。

ターフィーくんのグッズをゲットする、
ただそれだけのために僕だって
2週連続で横浜まで出かけているのである。
友だちのことは笑えない。

大きいレースこそないが、
夏のあいだも函館・札幌・福島・小倉といった地方の競馬場でレースは開催される。
JRAのホームページによれば、各地の競馬場でさまざまなイベントも開催される。
もちろんターフィーくんのグッズもプレゼントされるし、
ターフィーくんも現れるかも知れない。
もし都合がつくのであればターフィーくんを追っかけて、
北へ南へと出かけて行きたいぐらいである。

それはさておき昨日、
帰宅してから土曜日にもらった「宝塚記念」の出走表を見るともなしに見ていたら、
今度は
9番の馬が気になって気になって仕方がなくなってきてしまった。
過去
3走成績というところを見ていたら、
この
9番の馬が「金鯱賞」というレースに勝っているのである。
僕は過去のレース成績を見てもよくわからないので、
予想を立てる際はまったく参考にしていないのだが、
この「金鯱賞」を勝っているというのがひっかかったのだ。
なぜなら僕の友人が大好きだったというサイレンススズカという馬も「金鯱賞」に勝ち、
続く「宝塚記念」を制しているのである。
このデータは見逃せない。
僕は馬連で
9番を軸にして、
土曜日にピックアップした
5
プラス今朝予想に加えた
4番の馬券を追加で買おうかと思い悩んだ。

が、しかしやめた。
直前になってバタバタと予想を追加するのは、
なんというか男らしくないと思ったのだ。

結果は9番の馬が1着だった。
僕が買っていた
2番・1番が続いて入り、
さらには
5番の馬が4着に入った。
やっぱり
9番を買っておけばよかったと後悔しても、それはあとの祭り。
とりあえず
1番と2番の馬がきたので合計で2230円の配当がついた。
差し引き
130円のプラスである。
我ながら実にトホホな、小さい競馬である。

あとは秋まで、僕が競馬をすることはないだろう。
だが、しかし、来週も僕は新横浜の
WINSに行くのである。

YOKOHAMA KEIBAまつり!!」で配られたウチワは8種類あって、
白・黒・赤・青・黄色・緑・オレンジ・ピンクと枠番の帽子の色がついているのだが、
1着の馬の枠番と同じ色のウチワを持って新横浜もしくは桜木町のWINSに行けば、
またまたターフィーくんが描かれたオリジナル賞品をもらえるのである。
そして、我が家には
1着になった6枠・緑のウチワがあるのだ。

人間万事塞翁が馬。
昔の人はよくいったものだと、
丙午年生の僕は感心しつつ
6月最後の日曜日の夕方を迎えた。


2008.06