ハウンドドッグ「スクール・デイズ」

昨日、僕はバンド経験がないといったが、
よくよく考えてみたら実は
1度だけあった。
といっても、雇われヴォーカリスト的な感じで、
合同ライブを
1回やっただけなので、
以前バンドをやっていたなどといえるようなものではない。

で、何を演奏していたのかというと、
ハウンドドッグである。
1981年秋のことだ。
僕はハウンドドッグのファンではなかった。
なので、別に音楽的に魅力があって、
このバンドを手伝ったわけではない。
同級生から誘われ、ただの気まぐれから、
おもしろそうだからやってみようと思っただけなのだ。

ちょうど僕らのバンドの活動開始とほぼ同時期に発売されたのが
『スクールデイズ』というシングル盤である。
NOBODYの手によるこの曲は、
ラジオの深夜放送で一度聴いただけで気に入った。

僕らのバンドの演奏曲は全7曲を予定していたのだが、
ハウンドドッグの曲は
6曲。
うち知っていたのは『スクールデイズ』だけであった。

ちなみにハウンドドッグの曲以外の
1曲は、
ジュリーの『ストリッパー』である。
しかし、この曲は最後の最後でレパートリーから外された。
この曲を演奏するためには、
ギタリストがこの曲専用のギターを用意しなければならず、
それが面倒だというトホホな理由からで外されたのだ。
嗚呼、ジュリー。

『スクールデイズ』は、
「借り物の革ジャンに兄貴のサングラス
 あの娘待ち伏せ今日こそ打ち明けなよ」
(作詞・NOBODY)
という詞が示すように、これまた高校時代のことを唄った歌である。

が、これに続く歌詞が以下のとおりなのだ。
「抱きしめあの娘の耳元 本気だってささやいてみな」である。
待ち伏せして、抱きしめ、耳元でささやきである。
これは限りなく犯罪に近いのではないだろうか?
()
少なくとも僕が高校生のときには、
こんな大胆さは持ち合わせてなかったぞ。

練習開始から約1ヵ月半後、
僕らのバンドのライブは大成功に終わった。
このまま解散してしまうのはもったいないということで、
僕をヴォーカルのままにしてサイドギターのヤツと
ベースのヤツが新バンドづくりを提案してきたのだが、
結局僕は参加しなかった。

バンドの練習も楽しかったが、
サッカーの練習のほうがもっと楽しかったというのが大きな理由だ。
小さい理由としては、
やはりハウンドドッグのコピーバンドではつまらなかったというのもある。
いわゆる音楽性の不一致というやつだ。

いま、ハウンドドッグは、なにやら揉めているらしい。
訴訟がらみになっているとは穏やかなハナシではない。
僕は偉そうなことを何ひとついえる立場にないが、
一連の騒動を聞いているとなんかロックっぽくないなと感じる。
大友康平は何をどうしたいのか、
せめてファンにはキチンと説明してあげるべきだと思う。
それが誰よりもファンとの絆を大事にしてきた
ハウンドドッグらしい立ち居振る舞いではないだろうか?

ハウンドドッグのコピーバンドの元ヴォーカリストとして、
さらにはロックンロール音楽を愛する者の1人として、
またハウンドドッグのイキのいいロックンロールが聴けることを期待したい。


そういや、ハウンドドッグが唄った
アサヒスーパードライの
CMソング『BRIDGE』が発売されてから、
15年になる。
この曲、
2年ぐらい前に勤務する会社のGMとカラオケに行ったとき、
GMが唄っていた。

めちゃめちゃうまかった。
僕が元ハウンドドッグのコピーバンドのヴォーカルをやっていたことは、
もちろん
GMにはいまも内緒である。
というか、この文章を読んだ人にしか教えていない、
僕の衝撃の過去なのだ
()


2007.02