原由子「恋は、御多忙申し上げます」


昨年
1214日、僕はノストラダムスについて書いた。
最後の部分はこうである。

それにしてもノストラダムスの大予言を日本に知らしめた五島勉という人は、
いまいったい何をしているのだろうか?

もしチャンスがあったら、
「あなたにとってノストラダムスの大予言とは何だったのですか?」と聞いてみたい。
本当にビビッたんだから。

先週の金曜日、信じられないことが起きた。
ナント、この“ノストラダムスの大予言”で
五島勉を担当していた編集者の方とお会いしたのである。


その方はまったくの別件で僕を訪れたのだが、
同じ出版社の人なら何か知っているだろうと思い、
ノストラダムスの話を切り出したところ、
前述のように担当者だったことが判明したのだ。

トモフスキーと偶然、南青山で会ったときも書いたが、
僕は昔から不思議とこういう経験が昔から多い。
これを評して僕が「オレが騒げば、世の中が動く」というと、
たいていの人間は「あっ、そう。ヘヘーン」という感じで笑う。

いまから15年ぐらい前だと思うが、こんなことがあった。
帰宅途中、突然、サザンの原坊こと原由子の
1983年のヒット曲
『恋は、御多忙申し上げます』が聴きたくなった。
が、そんなレコードは持っていない。
うーん、いかんともしがたいとあきらめていた次の朝、
ラジオからこの曲が流れてきたのだ。
似たような経験ならまだまだある。
すごいときは、次にかかる曲がわかったりするのだ。

しかしである。
こんなことを書いておきながらなんであるが、
僕は超能力だとか霊だとかという類をいっさい信じていない。
そういうものは、この世の中に存在するのかもしれないが、
それは水や空気同様、大自然の一部であって、
なにもとりたてて特別視するものではないというスタンスなのだ。

仮に空中浮遊できるという人がいたとしても、
「へえ〜そういう特技の持ち主なんだね」ってなもんである。

原由子が『恋は、御多忙申し上げます』で、
ザ・ベストテンに出たときのことをよく憶えている。
歌う原由子のまわりに、
黒いビキニパンツ一丁の外国人ダンサーたちが登場し、
踊り出したのだ。

どっちが先かは憶えていないが、
“オレたちひょうきん族”のフラワーダンシングチームそのものである。

こんななかで、いったい誰が歌えよう
!?
原由子はゲラゲラ笑い出してしまった。

歌っている最中に笑わされるのは困りものだが、
笑わせられるということは実にいいことだと思う。
予言者の言葉より、空中浮遊なんかより、よっぽど人生に役立つ。

笑顔。笑顔。笑顔。

何かに忙殺されそうなギリギリの状況下にあっても、
キープ・スマイリング!

日々、そうありたいものだ。


2007.02