エルヴィス・プレスリー「バーニング・ラヴ」

今日でめでたく41歳である。
ちょっと前までは
20年前といわれたら、
まだ生まれたばっかの頃だなんて思っていたのに、
それがもう
41歳である。

ロックンロール音楽のルーツは
1954年に発表されたビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの
『ロック・アラウンド・ザ・クロック』といわれている。
ということは、ロックンロールが誕生して今年で
53年。
僕はロックンロールの歴史の実に
4分の3を経験しているということになる。

先週の木曜日に発売された雑誌“Pen(31日号)の特集は、
ズバリ「ロックのデザイン」であった。
ロックンロールの歴史を彩った名盤を、
ジャケットデザインという切り口で特集したものだ。
ロックンロールに関する記事を読むというより、
アートブックを読むような感覚で楽しめた。

ロックンロールの歴史のなかで、
まず欠かせないのが“
KING”エルヴィス・プレスリーであろう。
しかし、僕のなかではエルヴィスといえば、
もみあげを伸ばし、ひらひらの衣装を身にまとった
太っちょのイメージのほうが強く、
ロックンローラーのイメージは薄かった。

エルヴィスが亡くなったのは、
1977816日。
ちょうど母の実家に遊びに出かけた日で、
着いた早々テレビのニュースでその死を知った。

その後、ロックンロール音楽の歴史を深く掘り下げていくなかで、
エルヴィスの曲には幾度となく触れてきたが、
不思議と夢中になって聴くことはなかった。

『監獄ロック』や『ハウンドドッグ』は懐メロでしかなく、
『ラヴ・ミー・テンダー』にいたっては
ムード歌謡を聴いているような気分になったものだ。

そんな僕が、エルヴィスってカッコよかったんだと
いまさらながら思わされたのが、
2002年に発売された
ELVIS30ナンバー・ワン・ヒッツ
を聴いてである。

このアルバムにも収められている
ア・リトル・レス・カンヴァセーション』はナイキのCMにも使われ、
新たなエルヴィスファンの獲得に大いに貢献した。
かくいう僕も、この曲を聴いて
エルヴィスのロックンローラーぶりを認識した次第である。

さらにこのアルバムで僕を決定的に、
やっぱりエルヴィスってスゴかったんだ、と思わせたのが、
『バーニング・ラヴ』である。

「オマエのキスでオレは高く昇っていく
 まるで聖歌隊が歌う甘い歌のようだ
 そしてオマエは燃えている愛で
 オレの明日の空に火をともす」
というまさに古典的なラヴソングを、
激しいビートに乗せて歌っているエルヴィスは、
まさにロックンローラー以外の何者でもなかった。


エルヴィスは
193518日生まれなので、享年42歳である。
すでに僕はジム・モリソンよりも長く生き、
マーク・ボランよりも長く生き、ボブ・マーリーよりも長く生き、
そしてジョン・レノンよりも長生きしている。

次はエルヴィスだ。

まずは
41歳のこの1年をしっかりと過ごそう。
そのためにも、健康であることがやはり第一だ。
心身ともに健康で毎日が楽しく充実している、
そんな風にしてこの
1年を過ごし、
また来年の誕生日をワハハワハハと迎えたいと思う。

「不惑の40」も2年目。
だけど、僕は相変わらずだ。
大人の風格もなければ、落ち着きもない。
ネクタイなんて、冠婚葬祭でしかしない。
仕事はいつも
Gパン姿だ。

41歳になったからってヘンに老け込む必要もないし、
気取る必要もない。
特別に何かを新たにする必要なんかなにもない。
今日は昨日の続きでしかないのだ。


2007.02