クレイジー・ケン・バンド「タイガー&ドラゴン」


昨日、開運商品などに頼らなくても僕はここ一番というときに、
自ら運をたぐり寄せられる秘めた力をもっていると書いた。
で、その実例を近日中にここで紹介すると書いた。
さらに、けどすごく小さな運なのであまり期待しないようにと書いた。

今日は、その僕の秘められた力の小さな運の話である。

自ら運をたぐり寄せられるという壮大なテーマのこの文章。
結論から先にいってしまえば、ご存知ターフィーくんの
Tシャツを当てたことを
「どうだいスゲエだろう
! ウェヘヘーイ♪」と自慢したいだけなのである。

「なんだい、そんなことか。アホらしっ」と思った読者よ! 友よ!!
クレイジー・ケン・バンドの『タイガー&ドラゴン』の一節ではないが「
俺のハナシを聴け
!!」である。
この
Tシャツを当てるに至った僕のハナシをば。

ターフィーくん好きが高じ、
後楽園の
WINS通いをしていることは何度かここに書いたが、
さらに最近ではこまめに
JRAのホームページをチェックし、
ターフィーくんがらみのイベントがないかを探すことがライフワークとなっている。

そんななか先週の土曜日、
621日に新横浜に新しいJRAの場外馬券場=WINSオープンすることを知った。
ムム、コレはきっとターフィーくんがらみの
楽しいオープニング特典が用意されているに違いないと
ワクワクしながら情報の続きを見たら、
21()22()の来館者、先着各5,000名に
ターフィーくんが描かれたオッズカードが配られるとあった。
オッズカードというものがいったい何なのかさっぱりわからなかったが、
とにかく愛しのターフィーくんが描かれている品である。
しかも両日で
1万枚限定の記念品なのである。
僕はこのとき、絶対にもらいに行こうと決めた。
わざわざ新横浜まで出かけて。

さらに、またまたその続きを見たら、
このオッズカードと馬券
1,000円分で抽選会に参加できることが記されていた。
賞品は
A賞が「伊豆・箱根日帰り温泉&ランチ」もしくは
「横浜発屋形船グルージング」にペアでご招待。
当選者は
1日あたり10名であった。
B賞が「WINS新横浜オリジナルTシャツ」で1日あたり200名に当たる。
そして、その他の人は
C賞。賞品は「WINS新横浜オリジナルメモ帳」であった。

ホームページにはそのTシャツのイメージ画像が掲載されていた。
そのイメージ画像にはもちろんターフィーくんが描かれていた。

欲しい。絶対に欲しい。
温泉もランチも屋形船もいらないが、この
Tシャツはどうしても欲しい。
さっそく僕は電車の時刻を調べはじめた。

WINS9時オープンなので、742分に水道橋を出る電車に乗れば、
余裕をもって
9時前に新横浜に着くことがわかった。
まさかオープンと同時に
5,000人が殺到して、オッズカードがなくなることはあるまい。
寝坊さえしなければ、確実にオッズカードはもらえる。

こうして僕は、
ターフィーくん
Tシャツゲットのための最初の段取りを終えた。

20日の金曜日。
抽選会への参加資格である
1,000円分の馬券を買うための予想をしようと、
僕は再び
JRAのホームページを見た。
予想といっても僕には予想を立てられるほどの知識はない。
ジョッキーと馬の名前、そして親馬を見て直感的に予想を立てるのだ。
競走馬は血統が大切といわれているが、
僕が予想を立てる際、親馬を判断基準のひとつに加えているのは
競馬のド素人である僕でも知っている名前の馬であれば、
それはけっこういい血筋なのではないかという程度の理由である。
まわりの競馬好きにいわせるとメチャクチャな買い方らしいのだが、
これでも競馬で損はしていない。
この春からほとんどの競馬で勝っている。
これを僕は「タカハシ式負けない競馬術」とネーミングし、
まわりからバカにされまくっている。

ただし、先々週の競馬はダメだった。
当てたことは当てたのだが、
配当が低すぎてトータル
30円のマイナスになったのだ。
競馬には勝ったが勝負に負けたというところである。

ハナシを20日に戻すと21日は阪神と福島、
そして函館でレースが行われるとあった。
僕は阪神競馬場の
10レースで予想を立てることにした。
阪神のレースに僕が応援している福永祐一騎手が出場していたからだ。
「タカハシ式負けない競馬術」で
5頭の馬をピックアップし、
複勝と枠連合わせて
1,000円分の予想を立てた。

そして僕は予想を書いた紙をおサイフのなかにしまい、
2つ目の段取りを終えた。

あとは、明日を待つばかりであった。

そして迎えた21日。
無事にオッズカードをもらい
1,000円分の馬券を買うやいなや、
僕はそそくさと地下の抽選会場へと向かった。
抽選会場には開場直後だというのに
100人以上の人が長蛇の列をつくっていた。
列に並びながら、僕はある不思議な気分を感じていた。

これから抽選に臨むためではなく、
Tシャツを受取るために列に並んでいるような気分になったのだ。
信じられないかもしれないが、
僕には
Tシャツが当たることを確信していたのだ。
列が進み、抽選場所に近づいても
「当たってほしい」とか「どうか当たりますように」という
ドキドキ感などまるでなかった。
ただ淡々と
Tシャツをもらえる、
その瞬間を待っているような感覚だったのである。

案の上、僕がガラガラガラとまわした抽選箱からは
B賞の当たりを示す赤い玉がポトンと落ちてきた。
「おめでとうございます」と女性スタッフに笑顔で祝福されながら、
僕は欲しかった
Tシャツをついに手にした。

混雑している抽選会場を出ようとエスカレーターの近くに行ったところ、
そこで新聞の折り込みチラシに記載されている引換券持参の人に、
北海道産のニンジンがプレゼントされていた。
横浜市の港北区・都筑区エリアに折り込まれていたというチラシを僕がもっているはずもなく、
ニンジンはもらえない。
が、僕はふと、このチラシをもらうことはできないだろうかと考えたのである。
ターフィーくんがあちらこちらに描かれた、
B4サイズ4頁構成のチラシである。
ターフィーを愛してやまない僕としては、ぜひとも手にしておきたい品に思えたのだ。

うまくいくかどうかはわからないが、とにかく行動である。
プレゼント交換者が途切れるタイミングを見て、僕は一気にスタッフに近づいた。

「すみません。そのチラシ、余っているのでいいですので
1枚頂戴できませんか」と僕は慇懃な態度で声をかけた。
スタッフの人は、不思議なことをいう人だ、という顔で僕を見た。
僕は決断していた。
もしダメですといわれたら、こういおうと考えていたのである。

「ターフィーくんが大好きで、わざわざ後楽園から来たんです。
だから、
1枚だけでいいですからお願いしますよ〜」

そう、慇懃な態度がダメだったら、
今度は粘り越しの強いネゴシエーターになろうと考えていたのだ。

幸いにして、スタッフの人は話のわかる人で、
「引換券を切り取ったものだったらいいですよ」といってくれた。
僕は「もちろん
OKOK♪ ぜんぜーんOKです」と満面の笑みを浮かべ、
チラシを受け取った。

オッズカードをもらい、Tシャツをゲットし、
さらにはチラシまでもらった。
ホクホク顔の僕は、
あとは実物のターフィーくんがいないかなと
建物内をあちこち探したのだが、残念ながらターフィーくんの姿はなかった。

ターフィーくんがいない以上、長居は無用と僕は新横浜駅へと向かった。
そして、そのまま帰宅した。

新横浜を出たのは、まだお昼前である。
急いでこなさなければならない仕事は全部片づけてきたのだから
行こうと思えば横浜だって鎌倉だって、
クレイジー・ケン・バンドの歌によく出てくる横須賀にだって遊びに行けたのだが、
そんなことはもうどうでも良かった。
なんというか、今日やるべきことをやってしまったという
大満足な充実感だったのである。

その日の夕方、
JRAのホームページで馬券を買ったレースの結果を見てみたところ、
残念ながら枠連は外れたが、複勝で買った馬券が的中していた。
しかも
2,070円という配当だったので、1,070円の儲けが出た。

狙い通りターフィーくんのTシャツをゲットし、
おまけに当たっても外れてもどっちでもいいと思っていた馬券まで当てたのである。
僕は自分の幸運を心から祝福した。

さらにこの幸運を逃す手はないと、
翌日の阪神のメインレースの予想をすることにした。
当初はまったく買う気がなかったのだが、
なんとなくここは一気呵成に勝負してみようという気になったのである。

例によって「タカハシ式負けない競馬術」で出走馬をチェックしていったところ、
ピックアップされた馬の数は実に
9頭にものぼってしまった。
いくらなんでもこれは多すぎる。
僕は福永騎手を軸に賭けようと思っていたので、
福永騎手が騎乗する馬以外のなかから
4頭を選んだ。
そして、またまた枠連と複勝で馬券を買った。

レース結果は人気薄の8番の馬が1着に入り、福永騎手の馬は2着だった。
枠連は万馬券となった。

この8番の馬・・・ナニを隠そう、
最初にピックアップした
9頭に入っていたのだ。
が、バカヤローな僕は、最後にその馬をリストから外したのだ。

結局、福永騎手が騎乗した2番の馬の複勝馬券以外はことごとく外れ、
収支はマイナスになった。

人生いいことばかりありゃしないという見本のようなハナシである。
人生は勝ったり、負けたりのくり返しなのだ。

でも願わくば、
ここ一番というときにはしっかりと勝ちを収められる
人生のファンタジスタになりたいものである。

月曜日の朝、サッカーのヨーロッパ選手権で
我がイタリアチームは
PK戦の末、スペインに敗れてしまった。

僕の「ユーロ2008」は終わったが、
ターフィーくんを追い続ける日々はまだまだ続く。

次は今週末に開催される「YOKOHAMA KEIBAまつり!!」と「宝塚記念」である。

ターフィーくんよ、待っていてくれたまえ♪


2008.06