コンプレックス「ビー・マイ・ベイビー」
一昨日は山下久美子について書いた。
昨日は吉川晃司をとり上げた。
この2人に共通するミュージシャンといえば布袋寅泰である。
布袋といえば、山下久美子の前夫であり、
吉川晃司とはある音楽ユニットを組んでいた。
それがコンプレックスである。
コンプレックスは1989年4月、
シングル『ビー・マイ・ベイビー』でデビュー。
この曲はオリコン初登場1位を記録した。
僕はこの曲のCDは買わなかったのだが、
そのかわりシングルビデオを買った。
『ビー・マイ・ベイビー』のプロモが収録されたビデオが売られていて、
それを買ったのである。
この曲のプロモは、白地をバックに
黒装束の吉川と布袋が唄い演奏するというシンプルなもので、
プロモ自体も大きな話題を集めた。
僕はこのシンプルながら力強く、
迫力のある映像を何度も観まくった。
オリコン初登場第1位という、
この上ない上々のスタートを切ったコンプレックスだが、
デビュー翌年の11月、東京ドームでの公演を最後に無期限の活動停止に入る。
事実上の解散であった。
親友同士で結成したコンプレックスであるが、
最後は飲み屋で取っ組み合いになったそうだ。
つくづく、友情とビジネスの両立の難しさを感じさせられる。
僕はどちらかといえば仕事は仕事、
友情は友情と割り切りがはっきりしている方だと思うのだが、
とはいえ先日のようにクライアントと個人的に飲んだり、
友だちのデザイナーと一緒に仕事をしたりすることがたまにある。
そういうときは、
仕事に「なあなあ」な空気を持ち込まないように極力気をつける。
僕ら広告屋は商業行為のなかで仕事を依頼されているのであって、
気の合う仲間と好き勝手につくりたいものをコラボしているワケではない。
クライアントとの太い人間関係なんていったって、
企業の組織内で考えれば脆弱なものである。
そのあたりを勘違いしてしまうと、広告屋は失敗する。
僕はそう思うし、そんな例をいくつも見てきた。
気がつけばもう6月。
来月には僕自身の新生活がはじまる。
この新生活を輝かしいものにするもしないも自分次第である。