サーカス「Mr.サマータイム」

今日は午後から辞めた会社の後輩スズキくんと、
お昼ごはんを食べた。
野郎
2人でお昼ごはんを食べるために
わざわざ出かけるのもイヤだといったら
()
経理のフジサワさんも一緒に来てくれた。

3人でごはんを食べながら近況を語り合う。
意気揚々で元気いっぱいの僕に対し、
スズキくんは意気消沈していた。
会社は相変わらずで、専務も相変わらずらしい。

会社の将来に対する不安や不満、
ここ
2週間で起きたいろいろなトラブル話をしてくれた。

スズキくんの言葉に対し、
何もできない自分がもどかしかった。
僕はもうスズキくんの上司ではないのだ。
よそ様の会社の問題に対し、
首を突っ込むワケにはいかない。

僕は少しでもスズキくんを元気づけてやろうと、
時々茶々を入れながらスズキくんの言葉を
1つひとつ聞いていた。

スズキくんとフジサワさんと別れたのは3時過ぎ。
僕はそのまま歩いて自宅へと帰った。
ドーム前には巨人のユニホームを着た人たちが、
すでにたくさん集まっていた。
後楽園ゆうえんちでは、
僕自身は絶対に乗りたくないジェットコースターに乗った人たちが
大歓声をあげていた。
世の中は夏休みなのである。

ちょうど昨日、恵比寿での打ち合わせを終えた帰り道、
ちょっと回り道をして近所の商店街の前を歩いていたら、
サーカスの『
Mr.サマータイム』のBGMが流れていた。
よくスーパーなどで流れている、
シンセサイザーによるインストの演奏のヤツだ。

季節はたしかに夏ではあるが、
なぜいま『
Mr.サマータイム』なのだろうかと思った。
この曲が流行ったのは
1978年。
僕が中学
1年生のときである。
しかもこの曲、
「待ち伏せた誘惑に誘われて思わずあなたを忘れてしまったの」
(訳詞・竜真知子)
という実に大人な歌である。

中学
1年生の頃は、
この歌詞の意味することは半分もわからなかったが、
すっかり大人になったいまでは十分に理解できるどころか、
いろいろと妄想もふくらますこともできる
()

子どもの頃の夏休みの空気感でいまもよく憶えているのは、
朝のひんやりとした空気と、
お昼寝から目覚めたときのちょっと蒸し蒸しとした空気である。

今日も早起きをし、
またまた朝から“独眼竜政宗”を観た。
そして午後、帰ってきてからベッドに横になって
うだうだしているうちにナント眠ってしまっていた。
お昼寝をしたのは実に久しぶりである。

いい大人が平日の昼間にお昼寝をしているなど、
まさにお天道様に申し訳ないのだが、
たまにはこんな日があってもいいかなと思う。
いみじくもスズキくんが今日、
「タカハシさん、あんなに働いたんだから
1ヵ月ぐらいのんびりすればいいのに」といっていた。

いまの生活・将来の生活のことがあるので、
そんな悠長なことはしていられないのだが、
今日はいいだろう。
この週末が過ぎれば、
また少しずつ忙しい日々がやってくるのだ。


その前のちょっと夏休みチックな
1日。
いまの僕には休みなど、それで十分だ。


2007.07