CCR「雨を見たかい」


昨日、Y
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ゼリー(忌野清志郎)率いるタイマーズが夜のヒットスタジオで
FM東京を痛烈に批判した曲をゲリラ的に演奏したときの映像を観た。
RCサクセションの曲がFM東京で放送禁止になったことが発端となり、
ゼリーこと清志郎が「
FM東京 腐ったラジオ FM東京 最低のラジオ
なんでもかんでも放送禁止さ」と唄ったのだ。

世の中には放送禁止曲というのが山のようにある。
CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)の『雨を見たかい』も
そのなかの
1曲であった。

この曲が発売されたのは
1971年。
アメリカはまだベトナム戦争のドロ沼から抜け出せずにいた。
『雨を見たかい』の「晴れた日に降る雨」という一節が
ナパーム弾を思わせるという理由で放送禁止になったらしい。

これは何もベトナム戦争当時の話ではなく、
イラク戦争のさなかも一部の放送局では放送禁止リストに加えられたそうだ。

放送禁止というのはメディアの敗北だと僕は思う。
権力の横暴をチェックするはずのメディアが権力におもねてどうするのだ?
そんな腰抜けのメディアなんか、とっとと淘汰されればいい。

ゼリーこと清志郎も冒頭でふれた歌のなかで、
FM東京 政治家の手先」と唄っていた。

ところでCCRの『雨を見たかい』は、
不思議なことに一方では
CMに何度か使われたことがある。
たしか日産と野村證券だったと思う。
あとスポンサーは忘れてしまったが、
1987年ごろに桑田佳祐が出演していたCMにも
桑田自身のカバーバージョンが使われていたはずだ。

各担当者はこの歌のもつ詩の意味を知っていたのだろうか?
知っていて、なおかつそれを承知の上で使ったとしたら大したものである。

CCR1959年、ジョン・フォガティ、スチュ・クック、
ダグ・クリフォードの
3人で結成されたブルー・ベルベッツというバンドが母体で、
後にジョンの兄のトム・フォガティが加入し
4人組となった。
そして
1967年にゴリウォックスというバンド名でデビュー。
翌年、バンド名をクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルと改めた。

その後はヒット曲にも恵まれ順風満帆な活動を続けたが、
次第にジョンに注目が集まりすぎメンバーが不仲になり、
1972年に解散した。


それにしてもクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルというバンド名。
はっきりいって長い。
とても一度聞いただけでは覚えられない。
聞いた話によるとクリーデンスとは、友人の名前だという。
クリアウォーターは、ビールの
CMからとったそうだ。

そしてリバイバルについては、
ドラマーのダグ・クリフォードがこんな風に話している。

「これは俺たちにとってのリバイバルという意味。
 自分たちのスタイルでやっていく。
 マネージャーが用意した衣装は着ない。
 やりたくないことは一切やらない。そんなところかな」


実にカッコいい言葉である。

リバイバル・・・回復・再生・蘇生。
あと
2か月でサラリーマン生活とおさらばする僕にとって、
このダグ・クリフォードの言葉はすごく励みになる。

一介の広告屋がやりたくないことは一切やらないなんてことは難しいと思うが、
このスピリットだけは忘れたくない。

反骨心を忘れてはいけないのだ。

CCRの『雨を見たかい』を聴いていると、
雨でも、矢でも、弾丸でも、なんでも降ってきやがれという気分になる。


2007.05