キャデラックスリム「孤独のメッセージ」

昨日、芝田洋一の『酒もってこい』に触れたが、
その翌年のポプコンで優秀曲賞を受賞したのが
キャデラックスリムの『孤独のメッセージ』である。

“コッキーポップ”という、
かつて大石吾郎が司会を務めていたテレビ番組で彼らを観たとき、
カッコいいバンドが出てきたなと思った。
細身のスーツに身を包み、
激しいアクションを加えながら演奏する彼らは、
まるでポール・ウェラー率いる初期のジャムのようであった。

ビルの陰にさえぎられ 

届かない光 届かない夢 声にならない叫び

夕暮れのラッシュアワー 誰ひとり身動きもできず

窓に映るきらめく街の灯り 疲れた俺の顔

時が体をしめつける 俺ひとり孤独のメッセージ

 アパートにたどりつき 灯りもつけず倒れこむ

 俺が描いてた 夢のかけらさえもまだ見つけられない

(作詞・葛西隆能)

『孤独のメッセージ』は地方から東京に出てきた若者の心情を歌った、
いわゆるステレオタイプの東京ソングである。
僕は、いまだにこの歌詞の世界は好きになれないが、
彼らのサウンドはいまも大好きである。

キャデラックスリムは北海道帯広市出身の5人組で、
ドラム、ベースにギター
3台という編成であった。
フロントにドラム以外のメンバーが横一線に並び、
前述のように激しいアクションを加えながら、
60年代のブリティッシュビートを思わせるサウンドを奏でていた。

残念ながらキャデラックスリムは
『孤独のメッセージ』でのデビューからわずか
2年で、
その活動に終止符を打ってしまったが、
彼らのカッコよさは四半世紀を経ても僕の脳裏に焼きついている。

人間一生のうちにできることなんて限られている。
ならば、せめて語り継がれるようなものを残したいなと思う。

25年後、僕の知らない誰かが、
僕のつくったものについて誰かに語ってくれているとしたら
・・・なんか、人生それだけでも十分という感じがする。

40歳の日々も、もう残りわずかとなった。
来週はもう
41歳である。
書きまくる
40歳から書きまくる41歳か。

よーし、誰よりもカッコいい41歳になってやる。


2007.02