バグルス「ラジオスターの悲劇」
この前の日曜日の夜、
CSで2004年11月11日、
イギリスはウェンブリー・アリーナで行われた
トレヴァー・ホーンのプロデュースによる
“プリンス・トラスト”の模様が放映された。
オープニング曲はトレブァー・ホーン自身が1977年に結成した
バグルスの大ヒット曲、『ラジオスターの悲劇』であった。
この曲はバグルスが1979年にリリースしたデビュー曲で
全英ナンバーワンに輝くとともに、日本でも大ヒットを記録した。
僕はあまりの懐かしさに、食い入るようにバグルスの面々
(相棒ジェフ・ダウンズをはじめとする当時のオリジナルメンバー)の演奏に見入った。
『ラジオスターの悲劇』の原題は“Video Killed The Radio Star”といい、
内容はビデオの普及により出番が減ってしまったラジオスターのことを唄っている。
当時はまだMTVの放送は開始されていなかったが、
天才トレヴァー・ホーンは、
きっとビデオ(MTV)全盛の時代がくることを確信していたのであろう。
そんな内容が関係あるのか否かは知らないが、
1981年8月1日12:15にアメリカで開局したMTVの最初のオンエア曲が
『ラジオスターの悲劇』であったという。
うーん、なんとも皮肉な選曲である。
僕はMTVの発展とともに思春期を過ごし、
その恩恵をたくさん受けた人間ではあるが、
やはり愛着というとラジオのほうに軍配が上がる。
モーターマガジン社から出ていた
ラジオマガジンという月刊誌の愛読者の1人でもあった。
いまのようにインターネットで
ラジオDJのプロフィールをカンタンに検索できる時代ではなかったので、
ラジオマガジンを見ながら、
「おー、このDJはこんな顔をしているのか」などと知ったりしていた。
1980年代前半当時の熱心なラジオリスナーにとって、
ラジオマガジンはまさに福音書あった。
MTVの出現によってラジオというメディアがダメになったかというと、
そんなことはない。
21世紀の今日もラジオは素晴らしいメディアであり続けている。
僕がコピーライターとしてはじめて手がけたのがラジオCMということもあり、
ラジオに対してはついつい贔屓してしまうのだが、
願わくばどんなに世の中が変化したとしても、
ラジオはずっと不滅のメディアでいてほしい。
いや、発明以来、さまざまな新しいメディアが生まれても、
それに消されることなく21世紀も生き抜いているラジオのことだ。
きっと、これからも不滅のメディアであり続けるであろう。
僕も、若いクリエイターたちが年々誕生したり、成長したりしても、
それらに負けない不滅のクリエイターになろうではないか!!
老若男女、どんなクリエイターでもかかってきやがれと、
気分だけは無敵な41歳・厄年の春である。
実は昨日、会社に退職願を提出したのだ。