バグルス「ラジオスターの悲劇」


この前の日曜日の夜、
CS20041111日、
イギリスはウェンブリー・アリーナで行われた
トレヴァー・ホーンのプロデュースによる
“プリンス・トラスト”の模様が放映された。

オープニング曲はトレブァー・ホーン自身が
1977年に結成した
バグルスの大ヒット曲、『ラジオスターの悲劇』であった。

この曲はバグルスが
1979年にリリースしたデビュー曲で
全英ナンバーワンに輝くとともに、日本でも大ヒットを記録した。


僕はあまりの懐かしさに、食い入るようにバグルスの面々
(相棒ジェフ・ダウンズをはじめとする当時のオリジナルメンバー)の演奏に見入った。


『ラジオスターの悲劇』の原題は“
Video Killed The Radio Star”といい、
内容はビデオの普及により出番が減ってしまったラジオスターのことを唄っている。

当時はまだ
MTVの放送は開始されていなかったが、
天才トレヴァー・ホーンは、
きっとビデオ
(MTV)全盛の時代がくることを確信していたのであろう。

そんな内容が関係あるのか否かは知らないが、
19818112:15にアメリカで開局したMTVの最初のオンエア曲が
『ラジオスターの悲劇』であったという。
うーん、なんとも皮肉な選曲である。

僕はMTVの発展とともに思春期を過ごし、
その恩恵をたくさん受けた人間ではあるが、
やはり愛着というとラジオのほうに軍配が上がる。

モーターマガジン社から出ていた
ラジオマガジンという月刊誌の愛読者の1人でもあった。

いまのようにインターネットで
ラジオ
DJのプロフィールをカンタンに検索できる時代ではなかったので、
ラジオマガジンを見ながら、
「おー、この
DJはこんな顔をしているのか」などと知ったりしていた。

1980年代前半当時の熱心なラジオリスナーにとって、
ラジオマガジンはまさに福音書あった。

MTVの出現によってラジオというメディアがダメになったかというと、
そんなことはない。
21世紀の今日もラジオは素晴らしいメディアであり続けている。

僕がコピーライターとしてはじめて手がけたのがラジオCMということもあり、
ラジオに対してはついつい贔屓してしまうのだが、
願わくばどんなに世の中が変化したとしても、
ラジオはずっと不滅のメディアでいてほしい。

いや、発明以来、さまざまな新しいメディアが生まれても、
それに消されることなく
21世紀も生き抜いているラジオのことだ。
きっと、これからも不滅のメディアであり続けるであろう。

僕も、若いクリエイターたちが年々誕生したり、成長したりしても、
それらに負けない不滅のクリエイターになろうではないか
!!
老若男女、どんなクリエイターでもかかってきやがれと、
気分だけは無敵な
41歳・厄年の春である。

実は昨日、会社に退職願を提出したのだ。


2007.04