ボニー・タイラー「ヒーロー」
いよいよ冬である。
今日はいい天気ではあるが、朝から寒い。
昨日は、日中はポカポカ陽気のいい天気だった。
まさに絶好のマラソン日和である。
ということで、行ってきました昨日、国立競技場へ。
東京国際女子マラソンを見に。
暖かな日曜日の朝の日差しを浴びながら、
外苑前からホテホテと歩いて国立競技場へと向かった。
やたら人が多かったので、みんなマラソン観戦に行くのかと思いきや、
多くの人々は秩父宮ラグビー場へと入っていった。
なんでも全国高校ラグビー選手権の東京予選の決勝が行われていたようだ。
思わずテレビドラマ“スクール☆ウォーズ”の主題歌だった『ヒーロー』が
アタマのなかで鳴り響いた。
ドラマで使用されたのは麻倉未稀のカバーバージョンだが、
僕はボニー・タイラーのオリジナル盤のほうを思い浮かべていた。
昨日の秩父宮ラグビー場が花園への切符をかけた闘いの舞台なら、
東京国際女子マラソンは北京オリンピックへの切符をかけた大一番である。
僕ははやる気持ちで国立競技場へと急いだ。
国立競技場に着いたのは11時半前後。
メインスタンドは早くも大観衆で埋まっていた。
運良くスタート地点正面に席を見つけ、そこに陣取った。
グラウンドに目をやると、野口みずき選手が黙々とウォームアップを行っていた。
野口選手は150センチと小柄な選手である。
しかし、オーラが違うというか存在感があるというか、
多くの選手がウォームアップを行っているなかで、ひと際目立っていた。
12時10分、レースはスタート。
僕は全選手が国立競技場を後にするのを見届け、
所用のため大江戸線で新宿へと向かった。
13時半、用事を済ませ再び国立競技場へ。
千駄ヶ谷で電車を降りたら、
目の前の東京体育館では全世界空手道選手権大会が行われていた。
まさにスポーツの秋である。
心地よい日曜日の午後の日差しのなか、僕は国立競技場へと急いだ。
メインスタンドはスタート時点よりもさらに多くの人で埋まっていた。
幸いにして僕はゴール地点正面に据えられたテレビカメラの脇に空席を見つけ、
選手の到着を待った。
競技場内の電光掲示板にはレースの模様が映されていた。
僕が席に着いたとき、
ちょうど30キロ地点ぐらいで渋井陽子選手が遅れはじめる様子が映された。
レース結果については、ここであらためて僕が書く必要もないが、
とにかく野口選手の強さが際立ったレースであった。
特に35キロ過ぎからのあの坂で、
これまで多くの名ランナーを苦しめたあの坂でペースアップをし、
大会新記録を出したのだ。
強いとしかいいようがない。
全選手がゴールした後、
僕は例によって国立競技場のスタンドを我が物顔で一周した。
誰もいない国立競技場のバックスタンドから新宿の高層ビル群を眺めていると、
なにやら壮大な気持ちになった。
そう、ちょっとしたヒーロー気分だったのである。
っても、僕は昨日ナニもしていない。
ただマラソンを観戦していただけだ。
別にヒーローになるために仕事をしているワケではないが、
いつか昨日のような壮大な気持ちになれるよう、
また努力しよう。
野口みずき選手の「(練習で)走った距離は裏切らない」という言葉は、
実にいい言葉だと思う。