バハ・メン「ダンシング・イン・ザ・ムーンライト」
昨日の撮影で、アクシデントがあった。
ナント、デザイナーが来なかったのだ。
撮影自体は11時半集合だったのだが、
それに先立ち色校正のチェックがあるので、
このデザイナーは代理店の営業担当者と10時に待ち合わせをしていた。
が、10時になっても来ず、
営業担当者が何度電話をかけても連絡がつかなかったという。
そして11時半。営業担当者からその話を聞いた僕は、
すぐさまこのデザイナーへ電話をかけた。
やはり、電話には出なかった。
撮影は13時スタートだったので、
もうしばらく様子を見ようとなったのだが、
何度電話をしても電話がつながることはなかった。
仕方ないのでクライアントには体調不良ということにして、
デザイナー不在のまま撮影をスタートさせた。
この撮影のためにクライアントサイドも
何人もの方々が時間を割いてくださっているのである。
延期には絶対にできない。
デザイナーがいないので、
僕が器の並べ方をレイアウトしたりして撮影を進めた。
撮影点数は料理写真3点。
なんとか無事に乗り切って、6時過ぎには終了した。
撮影終了後、来なかったデザイナーに昨日何度めかの電話を入れた。
しかし、結果は同じであった。
現時点でも連絡がつかない。
これはどう考えても異常なことである。
今日はこれから錦糸町→麻布十番と2件打ち合わせに行き、
5つの仕事を順次片づけていかなければならない。
忙しい。
が、このデザイナーと連絡がつかないと
現在進行中の仕事に多大なる支障を来す。
なので、打ち合わせが終わったら、
このデザイナーの事務所に行って様子を見て来ようかと考えている。
このデザイナーは34歳のフリーで、
僕が前の会社に勤務していたとき売り込みの面接にやってきた。
仕事に対する責任感も強く、デザイン的にも光るものがあったので、
独立したらぜひ一緒にたくさん仕事をしたいと思っていた。
独立の挨拶状を在職中にお世話になった方々へ送ったとき、
真っ先に連絡してきてくれたのも彼であった。
そして、彼は僕が掲げる
「正直な広告づくり」というPCEのコンセプトにいたく感激し、
僕がパワーポイントでつくったPCEのコンセプトシートを事務所に張り、
めげそうになるとそれを見ては自分に喝を入れていると語っていた。
仕事を途中でほっぽり出すような人間では断じてないのである。
昨日は中秋の名月であった。
まさに、これぞ十五夜というにふさわしいお月様であった。
8月の皆既月食は悪天候のため見ることができなかったが、
昨日はバッチリであった。
バハ・メンの1994年のヒット曲
『ダンシング・イン・ザ・ムーンライト』を聴きながら、
踊り出したいほどの美しいお月様だったのだが、
どうも連絡のつかないデザイナーのことが心配で、
踊り出すほどの気分にはなれなかった。
7月に独立して以来、約2か月。
おかげさまで仕事はここまでなんとか順調にきている。
このいい流れに水を差してはいけない。
クライアントに迷惑は絶対にかけられない。
最悪の場合、善後策は自分で講じなければならない。
試練である。