aiko「ボーイフレンド」


てえへんだ! てえへんだ!!
えらいこっちゃ! えらいこっちゃ!!
めでてぇ! めでてぇ!!
ワッショイ! ワッショイ!!

てな具合に僕は今日、朝から大騒ぎをしていた。
来週には
42歳にならんとしている不惑の男が
なんで朝からそんなに大騒ぎをする必要があるのか
?
もちろん、理由がある。
いくら子どもの頃から通信簿に「落ち着きがない」と書き続けられていた僕でも、
朝から理由もなしに大騒ぎなどしない。

読者よ! 友よ!! 黙ってオレの話を聞いてほしい。

チープ・トリックが来日するのである。
424日にコンサートを行うのである。
しかも、しかも、しかもあの日本武道館で♪

今朝、起きて歯を磨きながらのほほんと新聞をめくっていたら、
その旨を告げる広告が載っていた。
僕は驚きと喜びのあまり、
口のなかの歯磨き粉を飲み込みそうになった。
僕は急いで口をすすいだあと、
あらためてじっくりその広告に見入った。

「チープ・トリック『at武道館』30周年!たった一夜限りの武道館。」と書いてあった。
間違いない。
チープ・トリックが武道館でコンサートをやるのだ。

僕はいても立ってもいられず、とりあえずその広告部分を切り取った。
ナニもそんなことをしなくてもよさそうなものだが、
とりあえずナニかしなきゃと思って、
ついついハサミを手にしてしまったというワケである。

これが来週には42歳にならんとしている不惑の男がすることであろうか?
そう、いわれると返す言葉もないが、
とにかく僕はこのニュースがうれしくてうれしくてたまらなかったのである。

チープ・トリックについては、一昨年の1218日の日記に書いた
興味がある人はそれを読んでほしい。
僕がなぜにそこまでチープ・トリックが武道館でコンサートをすることにこだわり、
大喜びするのか
?
その理由の一端がおわかりいただけると思う。

そのときの日記の最後に僕はこう書いた。

2008年は僕にとって、北京オリンピックの年ではない。
チープ・トリックの武道館公演から
30年目の節目の年なのだ。
できれば、ぜひ
1日だけでもいいから武道館でコンサートを行ってほしい。
いまの僕の切なる願いのひとつだ。」

再び読者よ! 友よ!!
まさに僕の切なる願いが実現したのだ。
これを喜ばずしてナニを喜ぼうかってなもんである。

よく自己啓発や宗教において
「願えばかなう」などということをいっているそうだが、
僕は自己啓発セミナーを受けたこともなければ、
特定の宗教を信仰しているワケではない。
なのに、どうだ
!! しっかりと願いがかなっているではないか。

人生において大切なのは
他者から与えられたことを鵜呑みにすることではないと思う。
自分で考え、自分で判断し、自分で望み、自分で願うことが大切なのだと思う。

お昼すぎ、僕は弾む心で近所のスーパーへと出かけた。
アタマのなかではチープ・トリックの代表曲の
1つ『サレンダー』が鳴り響いていた。

足どりも軽やかにスーパーに入った僕の耳に飛び込んできたのが、
aiko2000年のヒット曲『ボーイフレンド』である。
しかも、オリジナル曲ではない。
まさによくスーパーでかかっているチープなインストバージョンである。
これがよくなかった。
それ以来、現在に至るまで
妙に
aikoの『ボーイフレンド』のメロディがアタマから離れない。
チープ・トリックを蹴散らす『ボーイフレンド』のメロディ。
恐るべし、
aikoである。

チープ・トリックがコンサートを行う424日は、
東京もすっかり春である。
春というより初夏といっても過言ではないかもしれない。
僕が
1年中でいちばん好きな季節である。

そんな心地よい季節に、武道館でチープ・トリックのコンサートを観るのだ。
見慣れた武道館への道も、必ずやこの日は特別なものに映るだろう。
なんてったって
30年である。
30年ぶりのチープ・トリックの武道館公演なのだ。
当時、中学
1年生だった僕は、
当然ながら
30年前の武道館公演を体験していない。
当時
12歳だった悪たれ小僧が
42歳で初体験するチープ・トリックの武道館公演なのだ。

424日、1曲目のイントロが流れてきたとき、
僕はいったい何を考えるのだろうか
?
もちろんそのときになってみないとわからないのだが、
とりあえずいま思うことは「泣くまい」ということである。


2008.02